花祭り
May 12, Monday
花祭りは、日本において毎年4月8日に行われる仏教行事で、釈迦(しゃか)=お釈迦様の誕生日を祝う日です。正式には「灌仏会(かんぶつえ)」と呼ばれ、全国の寺院で様々な形で祝われます。日本では「花祭り」という名称が一般的に親しまれており、春の花々が咲き誇る季節に行われることからこの名がついたとされています。
花祭りの由来
釈迦は紀元前5世紀頃、現在のネパール・ルンビニで生まれたとされます。伝説によれば、誕生直後に七歩歩き、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と唱えたといわれています。また、その時に天から甘露の雨が降り注いだという逸話に基づき、花祭りでは「甘茶(あまちゃ)」を釈迦像にかける儀式が行われます。
花祭りの主な行事
**花御堂(はなみどう)**:
寺院の境内などに、色とりどりの花で飾られた小さなお堂(花御堂)が設けられ、その中に誕生仏(たんじょうぶつ)と呼ばれる釈迦の幼少期の像が安置されます。
**甘茶かけ**:
参拝者は柄杓(ひしゃく)で甘茶をすくい、誕生仏の像にかけて祝います。これは、釈迦誕生時に天から甘露が降ったという伝説に由来しています。
**甘茶のふるまい**:
参拝者には甘茶がふるまわれることが多く、健康や無病息災を祈願して飲まれます。甘茶はヤマアジサイの葉を乾燥させて作られたもので、自然な甘みがあります。
**稚児行列(ちごぎょうれつ)**:
一部の寺院では、子どもたちが華やかな衣装を着て町を練り歩く「稚児行列」が行われ、釈迦の誕生を祝います。
祝日としての位置づけ
花祭りは日本の国民の祝日ではありませんが、仏教においては非常に重要な行事の一つです。特に浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、臨済宗など多くの宗派で大切にされています。学校や地域によっては、子ども向けのイベントや法要が行われることもあります。
現代における花祭り
近年では、仏教離れが進む中で花祭りの認知度はやや低下していますが、地域の伝統行事として続けられている場所も多く、春の訪れを祝う文化的なイベントとしても親しまれています。また、仏教の教えに触れる機会として、子どもたちに仏教の歴史や道徳を伝える場にもなっています。