イード・アル＝アドハー
6 - June 8, Friday – Sunday
Kelantan, Terengganu
イード・アル＝アドハー（Eid al-Adha）は、イスラム教における最も重要な祝日の一つで、「犠牲祭」とも呼ばれます。この祝日は、預言者イブラーヒーム（アブラハム）が神の命令に従い、息子を犠牲にしようとした信仰と服従の精神を記念するものです。神はその忠誠心を認め、代わりに動物を犠牲にするよう命じたとされています。
祝日の時期
イード・アル＝アドハーは、イスラム暦の第12月であるズー・アル＝ヒッジャ月の10日に始まり、通常3日から4日間続きます。この日は、メッカ巡礼（ハッジ）の最終日と重なり、巡礼者にとっても特別な意味を持ちます。イスラム暦は太陰暦であるため、グレゴリオ暦では毎年日付が変動します。
主な儀式と習慣
この祝日には、以下のような宗教的・社会的な習慣が行われます。
**犠牲の儀式（クルバーニー）**
信者は羊、山羊、牛、またはラクダなどの家畜を神への感謝と信仰の証として屠ります。屠られた肉は、3等分されるのが一般的で、自分の家族、親戚や友人、そして貧しい人々に分け与えられます。
**礼拝（イードの礼拝）**
イードの朝には、特別な礼拝（サラート・アル＝イード）がモスクや広場で行われ、多くの人々が集まって祈りを捧げます。
**家族や地域社会との交流**
家族や親戚が集まり、特別な料理を囲んで祝います。また、互いに贈り物を交換したり、子どもたちにお小遣い（イーディーヤ）を渡したりする習慣もあります。
社会的意義
イード・アル＝アドハーは、信仰の実践だけでなく、社会的連帯や慈善の精神を強調する祝日です。特に貧困層への支援が重視され、犠牲の肉を分け与えることで、すべての人が祝祭に参加できるよう配慮されます。
世界各地での祝われ方
イード・アル＝アドハーは、イスラム教徒が多く住む国々では国民の祝日とされ、学校や職場が休みになります。国や地域によって祝祭の習慣や料理に違いはありますが、信仰と共同体の絆を深めるという基本的な精神は共通しています。