人権デー
March 25, Tuesday
キャンドルのデモの背景
1980年代後半、チェコスロバキア(当時)の共産主義政権は、宗教活動や市民の自由を厳しく制限していました。これに対し、カトリック教会を中心とした市民団体が、宗教の自由と人権の回復を求めて活動を始めました。その中で、1988年3月25日、ブラチスラヴァのフラヴネー広場に数千人の市民が集まり、手にキャンドルを持って静かに抗議の意を示しました。
このデモは、当局によって暴力的に鎮圧され、多くの参加者が逮捕・拘束されましたが、国内外に大きな反響を呼び、後のビロード革命(1989年)へとつながる民主化運動の象徴的な出来事となりました。
現在の意義と記念行事
スロバキアでは、この日を通じて人権の重要性を再確認し、自由と民主主義の価値を次世代に伝える機会としています。学校や公共機関では人権に関する教育プログラムが行われ、各地で記念式典やキャンドルを灯すイベントが開催されます。また、当時の参加者や人権活動家が招かれ、講演やパネルディスカッションが行われることもあります。
3月25日の人権デーは、スロバキアにおける市民の勇気と自由への願いを象徴する日であり、過去の抑圧を忘れず、未来に向けて人権を守る決意を新たにする重要な記念日です。