アンザック・デー

April 25, Friday

アンザック・デー
© ShutterStock
アンザック・デー(ANZAC Day)は、毎年4月25日にオーストラリアとニュージーランドで祝われる国民の祝日で、第一次世界大戦中に戦った兵士たち、特に1915年のガリポリの戦いに参加したオーストラリア・ニュージーランド軍団(ANZAC:Australian and New Zealand Army Corps)の兵士たちを追悼・顕彰する日です。

この日付は、1915年4月25日にANZAC部隊がオスマン帝国(現在のトルコ)のガリポリ半島に上陸した日を記念しています。この作戦は連合国側の一環として行われましたが、激しい抵抗に遭い、多くの死傷者を出す結果となりました。ガリポリの戦いは軍事的には失敗に終わったものの、オーストラリアとニュージーランドの国民意識の形成に大きな影響を与え、ANZAC精神(仲間意識、勇気、自己犠牲、忍耐など)の象徴となりました。

アンザック・デーの行事としては、以下のようなものがあります:

**夜明けの追悼式(Dawn Service)**
多くの人々が夜明け前に集まり、戦没者を追悼する厳粛な式典が行われます。これは、兵士たちが夜明けに戦闘を開始することが多かったことに由来しています。

**パレード(ANZAC Day March)**
退役軍人や現役軍人、遺族、学生などが都市部で行進し、戦争に参加した人々への敬意を表します。

**黙祷と献花**
式典の中では1分間の黙祷が捧げられ、戦没者の墓地や記念碑に花輪が供えられます。

**「彼らの名は永遠に語り継がれるだろう」**
追悼の言葉として、ローレンス・ビニオンの詩「For the Fallen」の一節が朗読されることが多く、特に「They shall grow not old...」で始まる一節は非常に有名です。

現代における意義
アンザック・デーは単なる戦争の記念日ではなく、平和の尊さや国民の団結、歴史への理解を深める日としても位置づけられています。また、近年では第二次世界大戦やその他の紛争に参加した兵士たちも追悼の対象となっており、より広い意味での戦没者追悼の日となっています。

オーストラリアやニュージーランド以外でも、トルコのガリポリやフランスのヴィルール=ブレトヌーなど、戦地となった場所で記念式典が行われることもあります。

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