プリム
March 14, Friday
歴史的背景
プリムの物語は、ペルシャ帝国時代にさかのぼります。ユダヤ人女性エステルが王妃となり、王の側近ハマンがユダヤ人を絶滅させようと陰謀を企てた際、エステルとその養父モルデカイが王に働きかけてユダヤ人を救ったという話が『エステル記』に記されています。ハマンがユダヤ人を滅ぼす日を「くじ(プル)」で決めたことから、「プリム(くじの複数形)」という名前がつきました。
祝日の習慣と行事
プリムは非常に喜びに満ちた祝日で、以下のような伝統的な習慣があります。
* エステル記の朗読(メギラ)
シナゴーグで『エステル記』が朗読されます。ハマンの名前が出るたびに、子どもたちはガラガラ(グレイガー)を鳴らしてその名前をかき消します。
* 贈り物の交換(ミシュロアハ・マノート)
友人や隣人に食べ物や飲み物を贈り合います。これは共同体の絆を深める目的があります。
* 貧しい人々への施し(マタノット・ラエヴヨニーム)
貧しい人々に施しをすることが奨励されており、少なくとも2人に贈り物をするのが一般的です。
* 祝宴(スウダット・プリム)
家族や友人とともに盛大な食事を楽しみます。ワインやアルコールを飲むことも奨励され、「善と悪の区別がつかなくなるまで飲む」とされるほどです。
仮装と祝祭
プリムは「ユダヤのカーニバル」とも呼ばれ、子どもも大人も仮装をしてパレードや演劇を楽しみます。これは、神の名が『エステル記』に一度も登場しないことにちなみ、神の働きが「隠されている」ことを象徴しています。
食べ物
プリムの代表的な食べ物には「ハマンの耳(ハマンターシェン)」と呼ばれる三角形のクッキーがあります。これはハマンの帽子や耳を象ったとされ、彼の敗北を象徴しています。
エルサレムでのプリム(シュシャン・プリム)
城壁に囲まれた古都(エルサレムなど)では、プリムは1日遅れてアダルの15日に祝われ、「シュシャン・プリム」と呼ばれます。これは、エステル記において首都シュシャンでの戦いが1日長引いたことに由来します。
プリムは、ユダヤ人の歴史における逆転劇と神の見えざる導きを祝う日であり、喜びと連帯感に満ちた祝日です。