アサラハ・ブーチャー
July 10, Thursday
アサラハ・ブーチャーは、釈迦が悟りを開いた後、最初の説法を行った日とされており、その説法は「ダンマチャッカ・パヴァッタナ・スッタ(法輪を転ずる経)」と呼ばれます。この説法は、釈迦がベナレス近郊の鹿野苑(サールナート)で5人の修行仲間に対して行ったもので、仏教の教えの核心である「中道」「四諦」「八正道」などが説かれました。
この日、5人の修行者のうちの一人が釈迦の教えを理解し、初めての比丘(出家僧)となったことで、仏(ブッダ)、法(ダルマ)、僧(サンガ)の三宝がこの世に揃ったとされ、仏教の始まりの日とも位置づけられています。
タイではこの日、仏教徒たちは寺院に参拝し、僧侶に供物を捧げたり、説法を聞いたり、蝋燭行列(ウィアンティアン)に参加したりします。ウィアンティアンでは、信者たちが寺院の本堂を蝋燭、線香、花を手に持って3周し、仏・法・僧への敬意を表します。
また、アサラハ・ブーチャーの翌日は「カオパンサー(入安居)」と呼ばれ、僧侶たちが雨季の3か月間、寺院にこもって修行に専念する期間の始まりでもあります。このため、アサラハ・ブーチャーは仏教徒にとって精神的な節目となる重要な日とされています。